提供:テレビ大分
熊本地震の発生から、2026年4月で10年を迎えました。
当時、由布市湯布院町では観光業も大きな打撃を受けました。地震で被災し建て替えを余儀なくされた旅館の今を取材しました。
熊本地震で建物が被災
山荘わらび野・高田淳平代表
「従業員を(営業が)続けられないからと解雇する時が一番きつかった」
高田淳平さんは10年前の4月16日、地震で被災した旅館「山荘わらび野」の代表です。
由布市では、別府市と並び県内の観測史上最大となる震度6弱を観測。住宅など2450棟に被害が出ました。観光面でも、地震直後の5月の宿泊者数がおよそ2万3000人と前の年のおよそ5万7000人から半数以下にまで減少し、打撃を受けました。
「山荘わらび野」も瓦が落ちたり、母屋が傾いたりする被害が出て営業を続けることはできませんでした。
高田さんは建て替えを決意します。
山荘わらび野・高田淳平代表
「建て替えをする時に更地にしたが、当時からこの木とかその奥の木とか大きな木は残ったまま。植えられたものが残っている」
マイナスからの再出発
地震から3年後、木造だった和風旅館はモダンで耐震性のある鉄筋コンクリート造りに生まれ変わりました。
地震で、ゼロどころか、多額の借金を抱えるマイナスからの再出発となりましたが、高田さんはあの苦しんだ経験があるから今の自分があると振り返ります。
山荘わらび野・高田淳平代表
「(地震が)すごく転機になったと思っていて、プラスでしかないと言ったら語弊があるかもしれないけれど、あの建て直しがなかったら僕自身も人として成長できていなかった」
高級感のある室内に源泉かけ流しの温泉。リニューアルした旅館には今、国内外から多くの観光客が訪れています。
山荘わらび野・高田淳平代表
「観光は水物ではないけれど生き物なので、本当にネガティブになっている町だとお客さんは絶対にこない。だからそこはポジティブにいるようにしている」
由布市を訪れた観光客数は、2024年の時点で年間およそ429万8000人。過去最多となっていて、その受け皿となる宿泊施設では10年前の地震の経験が生かされていると言います。
由布院温泉観光協会・太田慎太郎代表理事
「震災がどこか遠い存在のような感覚でいたのが、現実として自分たちの身に降るということを本当に感じた経験だった。これに対する備えは考え方が大きく変わった。これはプラスのメリットではないか」
また、地震などの際は観光客はもちろん、地元の住民の安心安全のためにも町全体で取り組むことが大事だと話します。
由布院温泉観光協会・太田慎太郎代表理事
「お客様をいち早く被災地から離し、リソースの全てを住民の皆さんに注いで安心安全を確保する。住民の生命財産を守ることに観光も寄与しなければいけないというところは、この10年間の中で考えられて議論されてきた中の1つの大きな結論だ」
あの地震から10年。被災した観光地・湯布院は当時の経験を忘れずに歩みを進めています。
由布院温泉 山荘 わらび野
- 住所
- 大分県由布市湯布院町川北952-1
- 営業時間
- チェックイン15:00~
- 定休日
- なし
※この記事は、2026年4月16日にテレビ大分「TOSオンライン」で公開された記事を転載したものです。
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