静岡県中部・静岡市駿河区に位置する用宗(もちむね)は、全国でも有数のしらすの水揚げ量を誇る港町。
毎年3月末頃にしらす漁が解禁され、新鮮な海鮮を求めて多くの人が訪れます。都心から電車で約1時間と、アクセスの良さも魅力です。
近年は、富士山を望む温泉施設やクラフトビール醸造所、スイーツショップなど新スポットが誕生し、さらに見どころ満載に。
ノスタルジックなのに新しい。そんな2つの表情をあわせもつ港町・用宗の観光スポットをご紹介します。
目次
しらすの鮮度で知られる「しらすの町」
用宗は漁場に適した立地や独自の漁法・加工技術から「しらすの町」として知られています。
町の中心にある「用宗漁港」で獲れたしらすは、水揚げから約10〜15分後には市場へ運ばれるため、その鮮度は日本一と言われています。
週末になると、新鮮なしらすを求めて多くの人でにぎわいます。
昔ながらの商店や、地元で採れた野菜やフルーツの無人販売なども点在し、どこか懐かしさを感じる街並みです。
近年はその景観に寄り添うように、新しい飲食店や商業施設、観光スポットも増加し、コンパクトながら多彩な過ごし方ができる町へと進化しています。
用宗へのアクセス
都内から公共交通機関を利用する場合、JR「東京駅」から東海道新幹線に約1時間乗って「静岡駅」へ向かいましょう。その後、東海道本線に乗り換えれば、約8分で「用宗駅」に到着します。
車で行く際は、「東京IC」から東名高速道路を2時間10~20分ほど走り「静岡IC」または「焼津IC」を出れば、約15分で到着です。
「みなと横丁」で漁港グルメを堪能
用宗漁港は、JR「用宗駅」から北東へ徒歩約10分の場所にあります。
漁港の目の前にあるのは、昔ながらの横丁をリノベーションした「用宗みなと横丁」。
しらす・桜えびなどをはじめ、和洋中からスイーツまで、バラエティ豊かな飲食店が軒を連ねるグルメスポットです。
「しらす丼と海鮮の店 次郎丸」で新鮮な生しらすを堪能
横丁の入口そばに店を構えているのは「しらす丼と海鮮の店 次郎丸(じろうまる)」。
地元・用宗で海産物の加工販売を行う「マルカイ」の直営店です。用宗漁港で水揚げされたしらすなど、鮮度抜群の海鮮グルメが豊富にそろいます。
中でも人気なのが「生しらす丼(みそ汁付)」(1,400円)。
ご飯の上に朝水揚げされたばかりの生しらすをたっぷりと盛った、ボリューム満点の一品です。
しらすの水揚げが行われた日のみに提供されるため、しらすの禁漁期間中(毎年1月中旬〜3月中旬頃まで)は注文不可。
見つけた際は迷わず注文することをおすすめします。
生しらすは生姜醤油でいただくのが定番ですが、「次郎丸」ではさまざまな楽しみ方ができるようにと、卓上に数種類の調味料が用意されています。
イチオシの組み合わせも紹介しているので、色々な味変を試してみてください。
迷ったときは、オリーブオイル×黒胡椒がおすすめ。
生しらすのトロトロ食感が際立つ、ユニークな組み合わせです。
「生しらす丼」と並んで人気なのが「海鮮丼(みそ汁付)」(1,800円)。
実は、しらすだけでなくマグロも全国有数の水揚げ量を誇る静岡県。
そんな自慢のマグロの中トロと釜揚げしらす、釜揚げ桜えび、玉子、アワビがふんだんにのった豪華な一杯です。
水揚げがあった日には、生しらすも追加されます。
しらす丼と海鮮の店 次郎丸
- 住所
- 静岡県静岡市駿河区用宗2-17-2 みなと横丁1F
- 営業時間
- ランチ11:00~15:00(L.O.14:00)、ディナー17:00~20:00(L.O.19:30)
- 定休日
- 水曜※月、火曜はランチのみ営業
- アクセス
- 【電車】JR「用宗」駅から徒歩約10分
【車】東名高速道路「静岡」ICから約10分
「Fried bread MARU MER」のしらす×チーズ揚げパン
「みなと横丁」では、しらすを使った珍しいグルメも販売されています。
まずは、揚げパンのテイクアウト専門店「Fried bread MARU MER(フライドブレッド マル・メール)」で提供される、しらすとチーズの揚げパンを目指します。
このお店の揚げパンは、国産小麦100%を使用し、自家製の乳酸菌酵母による湯種仕込み製法で作られるのが特徴。ふわふわでもっちりとした食感を味わえます。
「しらすチーズ」(460円)は、炙ったスライスチーズの上にプリプリの釜揚げしらすをたっぷりのせた、おかず系の揚げパンです。
醤油とオリーブオイルで味付けされ、和と洋のバランスが絶妙に調和。
白ゴマのプチプチとした食感がアクセントとなり、最後まで飽きずに楽しめます。
揚げパンは常時14種類ほどがラインナップされており、「あんバター」(460円)や「ミルククリーム」(430円)といった定番に加え、季節限定のフレーバーも毎月登場。
「桜えびポテトチーズ」(460円)は、「しらすチーズ」と並んで人気なのだとか。
ランチのあとに軽くつまむのに程良い大きさで、食べ歩きにもぴったりです。
Fried bread MARU MER
- 住所
- 静岡県静岡市駿河区用宗2-17-2 みなと横丁1F
- 営業時間
- 11:00〜18:00(日により17:00まで営業)※売り切れ次第終了
- 定休日
- 火曜
- アクセス
- 【電車】JR「用宗」駅から徒歩約10分
【車】東名高速道路「静岡」ICから約10分 - 公式サイト
- Fried bread MARU MER
「HUT PARK用宗」でお土産選び
「用宗みなと横丁」から南西に約10分歩いた先には「HUT PARK用宗(ハットパーク もちむね)」があります。
ハンバーガーやラーメンなどのフードをはじめ、コーヒーやスイーツ、ショッピングまで満喫できる、トレンド感のある複合施設です。
静岡県内の魅力が集まる「まちの小さな商店 ittō」
「HUT PARK用宗」東館1階にあるのは、「まちの小さな商店ittō(イットー)」。
食料品やお酒、日用雑貨、アパレルまで、静岡ゆかりのアイテムがそろうセレクトショップです。
店内には、なんと2,000点以上の商品が並んでいます。
日用品を除けば、そのほとんどがメイド・イン静岡なのだそう。
ばらまき用のお菓子から、塩・醤油などの調味料、マグロやカツオの加工品まで幅広くそろい、お土産選びにもぴったり。
定番だけでなく、県民も知らないようなニッチな商品も並び、見ているだけでも楽しくなります。
地酒は、持ち帰りやすいサイズから一升瓶まで豊富に用意。
店頭には日本酒の試飲サーバーがあり、常時6種類をおちょこ1杯(100円)で試せます。
全国配送も可能なので、気に入った銘柄を自宅用や贈り物にするのもおすすめです。
お酒が苦手な人や子どもには、ご当地サイダー(356円)も。
いちごやみかん、メロンなどのフルーツ系から、お茶やワサビといったユニークなフレーバーまでそろい、思わず目移りしてしまいます。
入口に置かれたテラス席では、店頭で購入した食品であれば自由に飲食OK。
海風を感じながら、ゆったりと味わうことができます。
「サラダフィッシュ」や「あさりのオリーブオイル漬け」シリーズは、マグロやカツオなどの魚介をレモン、ブラックペッパー、ローズマリーなどで味付けし、オリーブオイル漬けにした逸品。
そのまま食べるのはもちろん、パンにのせたり、サラダのトッピングに使ったりとアレンジも利きます。
パウチタイプでかさばらないため、持ち帰りやすい点も魅力です。
用宗はペット連れの観光客が多いため、犬・猫用のおやつも充実しています。
地元の魚を使い、無添加にこだわった商品も多く、愛犬・愛猫家に喜ばれそうです。
移動中のお供にぴったりなのが、しらすや桜えびを使ったスナック類。
「The Shirasu」は、しらすを天日干しした「たたみいわし」を現代風にアレンジしたお菓子で、「サク咲く桜えび」は、駿河湾産の桜えびの香ばしさがダイレクトに感じられます。
「ittō」オリジナルのトートバッグやキャップも目を引くアイテム。
シンプルなデザインの中に、しらすの刺繍がさりげなくあしらわれています。
まちの小さな商店 ittō
- 住所
- 静岡県静岡市駿河区用宗4-19-12 ハットパーク用宗東棟1F
- 営業時間
- 8:30〜16:30
- 定休日
- 第1火曜(祝日の場合は変更あり)
- アクセス
- 【電車】JR「用宗」駅から徒歩約8分
【車】東名高速道路「静岡」ICから約10分 - 公式サイト
- まちの小さな商店 ittō
用宗海岸でスイーツ・コーヒー片手にひと休み
「HUT PARK用宗」のすぐ隣にあるのが「LA PALETTE用宗本店(ラ・パレット もちむねほんてん)」。
「用宗海岸海水浴場」の目の前に店舗を構える、ジェラート店です。
1階は開放的な雰囲気のテーブル席、2階は自然をダイレクトに感じられるテラス席となっており、四季折々の景色を望めます。
こちらでいただけるのは、バリエーション豊かなジェラートたち。
静岡県産生乳100%使用のミルクに、フルーツやお茶といった定番はもちろん、野菜やお酒、塩、酢や味噌といった調味料、さらには海の幸まで、意外性のあるフレーバーもそろいます。
店頭には常時12種類が並び、どれにしようかと迷う時間も楽しいひとときです。
一度は試してもらいたいのが、用宗本店限定の「しらす」フレーバー。
ヨーグルトベースに仕上げられているため、海鮮特有のにおいはなく、ほんのり塩味の効いたさわやかな味わいです。
ジェラートは、ダブルレギュラー(680円)とトリプルレギュラー(880円)が基本サイズ。
ドリンクはコーヒー400円~と手頃で、ジェラートとのセットでさらに100円引きになります。
イートインなら、ポットで提供される「丸子紅茶」(420円)もあわせて頼みたい一杯。
用宗の隣町・丸子で栽培される国産のクラフト紅茶で、渋みが少なく、ジェラートとも相性抜群です。
LA PALETTE 用宗本店
- 住所
- 静岡県静岡市駿河区用宗4-21-12
- 営業時間
- 月~金11:00〜18:00、土日祝10:00〜18:00
- 定休日
- なし
- アクセス
- 【電車】JR「用宗」駅から徒歩約9分
【車】東名高速道路「静岡」ICから約10分 - 公式サイト
- LA PALETTE
旅の締めくくりは温泉&ビールでリフレッシュ
いっぱい遊んだあとは、用宗海岸から徒歩10分弱の「用宗みなと温泉」でリフレッシュ。
富士山を望みながら天然温泉に浸かれる入浴施設です。
「用宗みなと温泉」の温泉は、地下1,000mから汲み上げた100%天然温泉。
ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉で、保温・保湿効果が期待でき、湯上がりは体の芯から温まります。
男女で趣の異なる露天風呂も見どころです。
女湯には「富士見小屋」が設けられており、外からの視線を気にすることなく富士山の絶景を望めます。
男湯は、仕切りのない開放的な造り。
晴れた日には、空・富士山・海が織りなすトリプルブルーが目の前に広がります。
内風呂と水風呂に使われている地下天然水は、まろやかな肌ざわりでサウナ利用者からも好評です。
しっかり温まったあとは、館内の「AOSAGI食堂」でほっと一息。
「スムージー ストロベリー」(500円)など、風呂上がりにうれしいソフトドリンクやアルコールが注文可能です。
海風が心地良いテラス席へも立ち寄ってみてください。
館内利用者専用のため比較的落ち着いていて、ゆったりと過ごせます。
運が良ければ、ここからも富士山が望めますよ。
お酒好きなら、「凍結みかんサワー」(650円)「凍結レモンサワー」(600円)も気になる一杯。
凍らせた果実を氷代わりに使っているため、最後まで味が薄まらず、フレッシュな果汁感が続きます。
「選べるソースの唐揚げ」(800円)も見逃せません。
唐揚げは大ぶりで食べ応え十分。柚子胡椒マヨやスイートチリなど6種類からソースを選べるのもうれしいポイントです。
そのほか、定食や丼もの、フォーなど軽めのメニューまで幅広くそろいます。
用宗みなと温泉
- 住所
- 静岡県静岡市駿河区用宗2-18-1
- 営業時間
- 月~金10:00~24:00、土日祝9:00〜24:00(最終受付23:00まで)
- 定休日
- なし
- 入浴料
- 月~金【中学生以上】1,000円【小学生】350円【3歳以下】無料
土日祝【中学生以上】1,200円【小学生】350円【3歳以下】無料 - アクセス
- 【電車】JR「用宗」駅から徒歩約13分
【車】東名高速道路「静岡」ICから約10分 - 公式サイト
- 用宗みなと温泉
「WCB用宗タップルーム」でクラフトビールも
「用宗みなと温泉」のすぐ隣には、静岡発のクラフトビールブランド「West Coast Brewing(WCB・ウエストコーストブルーイング)」の醸造所があります。
2019年の創業以来、個性豊かな新作ビールを次々とリリースしてきたブルワリーです。
その醸造所の向かいに建つのは、タップルームとホテルが一体となった「The Villa & Barrel Lounge(ザ・ヴィラ&バレルラウンジ)」。
客室に宿泊者専用のビアタップを完備した、ビール好きにはたまらない泊まれるブルワリーです。
館内に併設されたタップルームは宿泊者以外も利用可能で、最大16種類のフレッシュなクラフトビールに加え、オリジナルメニューを堪能できます。
ブルワリーでは新作ビールが毎週リリースされるため、訪れる度に異なる味わいに出合えるのも魅力です。
フードは朝・昼・夜と時間帯によって内容が変わり、特にディナータイムでは用宗名物のしらすをはじめ、地元野菜やジビエなど季節感のあるメニューをいただけます。
静岡の恵みを活かした料理は、クラフトビールとの相性も抜群です。
また、缶タイプのクラフトビールも販売されています。帰りの新幹線で、旅の余韻に浸りながら飲むのも良いですね。
WCB用宗 タップルーム
- 住所
- 静岡県静岡市駿河区用宗2-26-1 The Villa & Barrel Lounge内
- 営業時間
- 8:00~22:00(L.O.21:00)
- 定休日
- 不定休(月2~3日、公式サイトで要確認)
- アクセス
- 【電車】JR「用宗」駅から徒歩約12分
【車】東名高速道路「静岡」ICから約10分 - 楽天トラベルページ
- The Villa & Barrel Lounge
徒歩10分ほどの範囲に見どころがまとまる、コンパクトな港町・用宗。
グルメやスイーツ、温泉まで、静岡らしい魅力がぎゅっと詰まっています。
都心からのアクセスも良いため、気軽に日帰りでも立ち寄れますが、せっかくなら1泊して港町の日常に触れてみるのもひとつの過ごし方。
日々の騒がしさを離れ、どこか懐かしさを感じる景色とともに、ゆったりとした時間を満喫してみてはいかがでしょうか。
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取材・文/風間 千裕 撮影/水上 奈央

